第9回 定期購読者向けセミナー(2014.4.15)

SEMINAR 2014.04.15 NO.9

『土壌汚染・地中埋設物不動産取引の最新状況と予防法務―売主・買主それぞれの立場から』

講師:井上 治 弁護士(牛島総合法律事務所)/猿倉健司 弁護士(牛島総合法律事務所)

無料 概要

第9回目となった定期購読者向けセミナー。テーマは、土壌汚染・地中埋設物不動産の取引。2020年、東京オリンピックの開催にあわせて、今後不動産取引が活発化することが予想される中、参加者の関心も高いセミナーとなった。

具体的事例を使って疑問を解決


今回のセミナーでは、土壌汚染および地中埋設物に関して実務的に問題となりやすいトラブルスポットを明らかにしたうえで、紛争を予防するために留意すべきポイントについて、売主、買主のそれぞれの立場から解説していただいた。
講師を務めたのは、本誌2013年10月号にて「リスク判断のための紛争解決コスト分析―環境規制違反等」を執筆した井上治弁護士と、不動産関連訴訟を数多く担当している猿倉健司弁護士。
主に井上弁護士が紛争の予防ポイントや契約文言についての講義を行い、猿倉弁護士が近時の裁判例一覧をもとに裁判実務について解説をするという形式で行われた。
まず、土壌汚染・地中埋設物取引・紛争に関する近時の傾向として、
・ 紛争の多発化
・ 賠償額の高額化
・ 問題となる法的争点等の多様化
・ 技術的事項の専門性・複雑化
・ 予防法務の重要性の高まり
という5点が指摘された。
次に、典型的に問題となる土壌汚染・地中障害物等をあげ、それぞれ異なる実務対応について説明。
続いて、紛争における具体的問題点と予防のポイントとして、「瑕疵担保責任関連」と「債務不履行責任・不法行為責任関連」に分けて説明がなされた。
瑕疵担保責任については、ポイントとして、環境基準値と瑕疵、瑕疵の判断時期、責任制限特約・免責合意など合計10項目が取り上げられた。例えば、「環境基準値と瑕疵」の論点においては、環境基準値をわずかに超えただけで瑕疵と判断されるのかという点につき、瑕疵であると判断した裁判例、それだけでは瑕疵とは判断しなかった裁判例を紹介。さらに基準値を下回っていたのに瑕疵とされた裁判例の存在も指摘。そのうえで、紛争予防のために必要な、契約交渉と契約文言のポイントをそれぞれ解説した。
最後に、「予防法務まとめ」を紹介し、セミナーは締めくくられた。
多くの法務担当者にとって、裁判例をピックアップして詳細に読み込む時間はなかなかとれないため、豊富な事例検討は有益なものになったはず。多数の土壌汚染紛争解決を担当してきた経験に基づく内容だったので、実際に何らかの案件や具体的な問題意識を抱えて参加した受講者には特に好評だったようだ。

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